岡山大学、アメリカザリガニの捕食行動がカエル類の保全に影響することを解明

岡山大学、アメリカザリガニの捕食行動がカエル類の保全に影響することを解明

PR TIMES より

記事の要約

  • アメリカザリガニの捕食行動解明
  • カエル類の卵や幼生への影響
  • 保全対策の必要性を指摘

岡山大学によるアメリカザリガニの捕食に関する研究

岡山大学は2024年10月26日、アメリカザリガニがニホンアカガエルの卵や幼生を捕食することを明らかにした研究成果をJournal of Crustacean Biologyに掲載しました。この研究では、アメリカザリガニとニホンアカガエルの卵や幼生を24時間同居させる水槽実験を行い、アメリカザリガニによる強い捕食圧を確認しました。この結果は、アメリカザリガニの侵入がカエル類の個体数減少や絶滅に繋がっていることを示唆しています。

研究グループは、アメリカザリガニのサイズと隠れ家の有無がニホンアカガエルの幼生の生存率に影響を与えることも明らかにしました。小型のアメリカザリガニの場合、隠れ家があることで幼生の生存率が向上しましたが、中型・大型のアメリカザリガニでは隠れ家の有無による影響は認められませんでした。このことから、アメリカザリガニの駆除は、絶滅危惧種を含む在来カエル類の保全に非常に重要であることが示唆されます。研究成果は、在来生物保護の観点から、アメリカザリガニ対策の必要性を改めて浮き彫りにしました。

アメリカザリガニは条件付特定外来生物に指定されており、その駆除は喫緊の課題です。今回の研究は、アメリカザリガニの駆除の必要性を新たな視点から示した重要な成果です。今後、アメリカザリガニの防除対策の強化や、在来カエル類の保全に向けた取り組みが加速することが期待されます。この研究は、生物多様性保全の重要性を再認識させるものです。

アメリカザリガニ捕食実験結果

実験条件 アメリカザリガニのサイズ 隠れ家の有無 ニホンアカガエル幼生の生存率
実験1 小型 あり 有意に増加
実験2 小型 なし 減少
実験3 中型 あり 減少
実験4 中型 なし 減少
実験5 大型 あり 減少
実験6 大型 なし 減少

詳しい研究内容

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